くらしの家守隊では遺品整理のご依頼が多くありますが、生前整理およびご相談も勿論あります。
生前整理で一番大事なのは気持ち(覚悟)の準備です。
※今回は子の居るパターンです。
多くの人が残された子の仕事と思ってる人が居るようですが全然違います。
他人事ではない「誰でも必ず訪れる事」なので逃げる事は負に繋がりますので、親側の受け止めが必要です。
資産には色々ありまして、「不動産・動産・物・デジタル情報」とあります。
特に認知症や病気が来てからでは手遅れになりやすいのが「デジタル」部分でして、きちんとした手続きがないと残された人がかなり大変なことになってしまいます。
皆さん頭では分かっていても現場では悩まれています。
当然負の遺産になる事もあるので早めの行動が大切です。
※家守隊は司法書士や法律家ではありませんので、年々変わる法律などに限界はありますがもし悩んでいたりしましたらご一報頂ければアドバイス等はさせて頂きます。
※くらしの家守隊/CSOは遺品整理士協会認定業者(第IS35034号)です。
生前整理をしましょう
※シビアな書き方をする場面もありますが、私は見てきていますので砕いて表現して分かりやすくご参考になればと思います。
※財閥家系等を除く一般的家庭のお話です。
※生前(終活)のお話をしてますので、死後と手続きが全く違うので勘違いしない様にご注意下さい。
先ずはいつから?どのタイミングで?
自分の判断力が鈍り、病気になりがちでちょっとでも危機感を感じたら子供と連携しておきましょう。
パートナーが旅立たれた時もです。
資産に関しては家庭により異なりますが本人がすれば簡単な事も、親族や子がすると個人情報保護の成立から「スマホ解約・銀行・株式・暗号資産・不動産・クレジット」などかなり時間がかかるものもあります。
皆さんスマホ解約等は簡単と思ってるかもしれませんが、それは本人目線だからです。
これ実の子であれ子供がすると手続き大変ですから銀行なども同じです。
それを何度も見てきておりますので、自分が元気とは言わず危機感を感じたらすぐに子供と連携して下さい。
資産を引き継ぎたい人はこのタイミング迄に必ずしておく事として、「遺言書」もとても大事です。
兄弟が居る家庭は、これが無いとどんな円満な家庭でも揉めると思って下さい。(基本揉めると思って下さい)
見てきた中では揉めた場合は、なぜか「恨みの先は全て親のせいで」が多いというか殆どです。
うちの子は大丈夫と思ってるのは「親だけ」です。
口約束ではなく書面です。
何をする?|親・子同時進行
ここより以下の作業は死後になってしまうと、相続人全員の書類が必要だったり委任状や許可証または弁護士・司法書士を通しが必要だったりと、一気に大変な作業になってしまいますので、親側が甘く考えずにご注意下さい。
①動産|物自体
先ずは銀行などを除く①動産「物の整理」→②不動産→③デジタル資産「情報」共有の順番です。
特にここ最近では物と情報がリンクされてる事もありますので、昔のように書類があれば全てスムーズに解決なんてことはありません。
ですのでごっちゃにならないようにまずは物。
使わないタンスや大量の衣類、布団、使用していないけど念の為保管している物置の中など「いつか使うかも」で使わない物はどの家庭でも大量にあります。
その辺りの整理をしていき、物が減り整理されると不思議なもので心の中もパズルのように綺麗にピースが合ってきます。(本当です)
その中でスッキリしましたら思い出の整理をして下さい。
写真などもそうですが例えば1000枚の写真が出てきたとすると、100枚以内にベストなものを絞って綺麗に保管してみて下さい。(日本の各都道府県のアドバイザー指導では理想は50枚以内です)
どうしても出来ない人は、先延ばしにせず綺麗に同じ場所にまとめておきましょう。
※今の時代は銀行などは動産ですが、ネット専用銀行・保険も出てきてデジタル資産であるとも言えます。
②不動産|持ち家の場合のみ
①が終わったら次は②不動産関係が良いです。
親が生前のうちに名義変更を終わらせておいたり、又は売却(又は計画)を「明確に」終わらせておきます。
これは生前死後関わらず不動産屋・弁護士、司法書士などと一緒にする事になりますが、生前に親子共有する事で大変スムーズになります。
良くあるのが、「思い出の地だから」とか「子に任せるから好きにして良いよ」という一番困るパターンですね。
基本的に業者に良いようにされてるのを良く見ます。
これの責任は現在のご自宅の名義人側です。
③動産|銀行資産系
さて、ここまで完了したら最後はデジタル資産です。
これに関しては一旦は「パスワード等情報の共有」で大丈夫ですが、これが大変なんですね。
※因みに銀行・保険・クレカ・スマホ等は動産ですが、ネット専用銀行・保険などこの時代ですので敢えてデジタル資産の欄にも書いてます。
USBメモリに保管されてる方も結構居ます。(自分がシャキッと動ける間しか出来ませんからね)
①銀行・保険・クレジットカード・スマホ携帯等
【A】:まずは銀行からですね。
生前の段階で現金などは出しておくことが一番の理想ではありますが、それは強盗・脱税などのリスクもあります。
国もタンス預金防いだり税金漏れが出ない様試行錯誤です。
子が通帳などの共有権利を得れるように生前に「共有登録」しておいて下さい。
銀行へ行き、理由を伝えて手続きすれば可能です。
これが一番スムーズであり、危険がありません。
※因みに銀行引き落としのサービスや物は解約しない限り相続人の対象となりますので注意。
【B】:次が保険です。
積立生命保険の場合、会社によっては向こうから連絡してくれません。(今は法律変更で年一のハガキが来てるはずです)
請求を上げないといけませんが連絡無い場合は保険会社の物となりますので積み立ててきた全てが水の泡となることがあります。
それを避ける為に、きちんと「各会社・証書(必須)」ファイルにまとめておいて親子(又は受取人)と保管場所の共有しておいて下さい。
ネット生命であっても証書は有りますので必ず保管と情報共有。
これだけでかなりスムーズになります。
【C】:次がクレジットカードです。
これは生前なので止めるだけで大丈夫です。
ただし、クレカ自体はこれでOKですがその中のサブスク契約の引き落とし・クレカ払いは「支払い義務は止まりません」←下の④デジタル資産で記述。
何も伝えて無い場合、子は請求のはがき等から会社を調べて引き落とし支払いの物を調べてそれを解約していってと地獄の作業となります。
スマホの基本料金等はクレジットカードを停めてもどんどん溜まっていき請求がきますので注意。
【D】:次がスマホ携帯等です。
家族スマホの場合で子が権利人の場合は不要です。
生前なら本人解約が可能ですので、体調に危機感を覚えたら家族スマホに切り替えて権利者変更しておくなど対策しておけば安心です。
単純に子が契約してそれを親に渡しておくとスムーズです。
④デジタル資産|サービス・株式・暗号資産・デジタル通貨等
各種サブスクや有料サイトなどの解約(これらは資産とは言いません)ですが、クレジットカードの支払いの場合はクレカを停めると月払いの場合は支払いも止まるので強制解約となり無視してても大丈夫なパターンがありますが、自動継続更新や年間払いの場合はそうではありません。
ですので、サイトのID・パスワードなどを書き留めて一カ所へまとめておく必要があります。
これまた情報漏洩リスクがありますので、だからこその親と子の連携なんですよね。
正直映像サービスなどはしれていますし、クレジットカードが止まれば強制解約と最後の督促状で済むパターンもあります。
※ただし年契や5年契約の場合、解約が無ければ支払い義務は生じてますので一年後にとんでもない額の請求が来ることもあります。
本人は利用してなくても支払い義務があります。
だからこそID・パスの共有が必要です。
ここまでは一般的ですが、最後が「株式」および「暗号資産」の場合
株式:
死んだ場合は子は、故人名義の口座のままでは売買や換金ができないため、相続人の証券口座へ移管する必要があります。
当然資産ですので、遺言書の有無、相続財産や相続人の調査が必要で手続きが要ります。
放っておいて5年以上放置していると「株主所在不明」として、証券会社に買い取られたりする可能性がありますし、非上場の場合は会社に買い上げられたりします。
する事は証券会社への相続手続き連絡です。
これもまた生前のうちに、移管すれば良いのですが生前贈与となり税金がかかります。(基本的にこれです)
生前死後関わらず、贈与税・相続税いずれかがかかります。
「2024年時点」(贈与税:年間110万円迄は非課税 ・ 相続税:3600万円未満は非課税←厳密には更に細かい
保険:
生きてるうちは掛け捨て保険をどうするかだけで問題無いです。
掛け捨ては本人or子保険会社へ連絡して解約となります。
貯蓄型生命保険などの場合は、どうしたいかで話が変わりますが死亡した場合は引受人が保険会社へ連絡。
生前の場合は自分が解約して預金引き出しですが、死亡保険兼用が殆どなので死んだあと保険金受取人にて手続き等選択ができます。
ただし保険証券の場所など情報の共有は必要です。
暗号資産:
これは生きているうちなら親から子でも暗号資産は現金より素早いですよね、それが便利さと特徴ですので。
取引所に連絡して、送付されてくる書類に従って相続人ご本人の確認作業などの相続手続き準備が必要ですので、なるべく安全の意味も込めてされてる方は手数料は高いですが国内取引所を推奨します。
資産に関する税金について
これに関しては家守隊は専門外で年々変動しますし複雑ですので、税理士さんをつけて相談しながら作業して下さい。
と、ここまで書いてきましたが全ては親子の連携が取れている場合の話なんですよね。
最近では孤独死や親子疎遠状態も実は昔より急激に増加してます。
そもそも親がネット専用銀行使用してたり、株式証券を持っているか知らなかったり、保険加入してても書類の場所を知らなかったりと様々な問題があります。